【短歌集】リアルタイムのわたしより、幻想の中のわたしへ、毒と夢を贈る。
ジンセイ
「あと少し」
歯を食いしばって
死なずにきた
少し光が
見えかけている
潰しても
潰してもまた
走り出す
脚が二本の
チャバネゴキブリ
どこ行きの
船に乗ろうか?
行き先も
帰る地もまだ
分からないんだ
「憧れ」を
「夢と野心」と
書き換えて
わたしは二度と
グラグラしない
助けてと
言えばワタシは
消えるから
涙封じた
笑顔の鎧
メニュー
ジンセイ