【短歌集】リアルタイムのわたしより、幻想の中のわたしへ、毒と夢を贈る。
「イメチェン?」と
訊けば 「ねぐせ」と
照れ笑い
えくぼに くちびる
寄せてみたくなる
「バカ」 いつも
それさえ言えば
伝わるの
「ごめんなさい」も
「I love you」も
ダイスキが
あふれる瞬間
言葉なんて
忘れて 強く
ただ抱きしめて
「きみが好きだ……」
送信できずに
保存して
結局“優しい
先輩”のまま
もしかして
そのひとことを
言うための
道草だらけの
回り道だった?