ギャンブルワールド
女は丁寧に説明をしてくれたが、嵐には別の疑問出てきた。



「ところでお前、俺がこの世界に来たばかりってところに興味ないんだな。」

そう、嵐が別の世界から来たってところに女は驚きもせず、何も聞かずに説明をしてくれた。


「えっ?別の世界からこの世界に来る人ってたまにいますよ。毎年20人くらい神様によって連れてこられていますよ。みんな別の世界では腕利きのギャンブラーらしいけど、いつの間にか借金して半年したら別の国に売られたりしているらしいです。」



どうやら俺をこの世界に連れてきた巫女さんが神らしいな。


恐らく、奴がこの世界で通用すると思っていたギャンブラー達が別世界からここに連れてこられたのだろう。


しかし、腕利きのギャンブラー達が半年で借金生活とな。


この世界は思っていたより厳しいのかも知れない。


嵐は聞きたいことを一通り聞き、注文していた物も食べたので会計を済ますし店の外へ出てとりあえず家に向かって歩く。

今日は朝からパチンコ屋でパチスロ打つ予定であったがこの時間からじゃあ狙い台は取れないので家で寝るつもりだ。




しかし、家に向かって帰っていると後ろからさっきの女がついてくるのである。


「なんだよ?俺の財布を盗む気か?」

嵐は鋭い目で睨む。

しかし、女は泣きそうな顔で言う。

「あたし、実は住む場所がないんです。さっき奴らに住む家を取られてしまいまして。」


どうやらこの娘は借金のせいで住む家すら無いらしい。


金も無いからアパートを借りることも出来ないのだ。


「分かった、分かったから泣きそうな顔をするな。とりあえず俺の家で話を聞こうじゃないか。」


嵐は泣かれたら面倒なのでとりあえず自分のマンションの部屋に来てから話すことにした。





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