ギャンブルワールド
嵐はその日、懐かしい夢を見た。


それは大学を辞めてギャンブルで生活していた頃の夢だった。


当時、嵐は毎日色んなギャンブルをしていた。



しかし、ギャンブルの達人の嵐も最初はなかなか勝ち続けることが出来なかった。


最初の頃はデータ重視の立ち回りをしていたのだが、ギャンブルはデータ通り、確率通りに事が運ばない。


むしろ必ず不運、ツキの無さ、アクシデントという壁にぶち当たる。



そんな苦しい時に、大好きだった死んだ爺ちゃんの言葉を思い出した。


『データや確率以上に直感が重要なのがギャンブル。』



つまりデータや確率を徹底的に調べあげても必ず勝てるわけではない。


それは勝つ勝率上げるための手段。最後に物をいうのは己の直感なのだ。


つまり自分の『直感を信じきれるか』どうかなのである。




嵐の祖父は嵐と同じようにギャンブルで生活していた時期があったようで、祖父もその時にギャンブルとはどういうものかを知ったのだろう。






俺は…死んだ爺ちゃんを尊敬していた。

そのギャンブル、勝負に対する考えや温厚な人柄に憧れていた。


『遊びで麻雀、パチンコなんて楽しくない』と言う言葉の意味もギャンブルをしてから分かるようになった。



遊びとギャンブルでは勝負の本質が根本的に変わるのだ。



例えば、遊びなら「負けても良いや」となるが、金を賭けていたら「勝たなきゃ今月の生活がヤバい。なにがなんでも勝たないと…」という感じになる。


そしてギャンブルとはスリルである。そして人間もスリルを求める生き物である。


最後の千円で奇跡の大逆転と言う復活劇が最高に気分が良いのだ。





俺の好きだった爺ちゃん…。

なぜか、爺ちゃんを思い出すと涙が出てくる。





嵐にとって、祖父は嵐に大きな影響を与えた。


そして嵐にとっては祖父の考え方が全てなのだ。


直感とはオカルトかも知れないが、オカルトで勝てた経験が多いならオカルトも悪くない。



直感…オカルト…。そういった考え方が嵐のギャンブル人生では当たり前であった。



嵐は夢の中で決断する。

己の直感と心中すると。
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