オバさん娘・三浦幸子の恋
 幸子はいきなり右手をサッと上げた。

「もうイイですよ」
「え?」
「言わなくても、秋山さんの気持ちは分かりますから」

 ジッと相手の表情が無い顔を見る秋山さん。

「怒っている? そうだったら、謝るけど」
「別の何も怒っていませんから」
「本当に怒っていない!? 俺の事、許せないだろう!?」
「…」
「マジ、俺は謝るから!」
「大丈夫、心配ないですよ」と幸子はニッコリ。

 随分と落ち着いている幸子である。
 女って言うのは、こう言った時でも冷静になれる時も有るものである。

 対して秋山さんはソワソワして落ち着きがないように思われる。

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