オバさん娘・三浦幸子の恋
 蓑口さんはため息付いた。

「専務、もう失礼して宜しいでしょうか?」
「え?」

 蓑口さんの顔を見る芦刈専務。
「この後、用事が有りますから帰りたいのですが?」

 すかさず宗盛課長が注意した。

「まだ話しは終わっていないって」
「蓑口君、専務にそんな事を言うなんて失礼だろう?」

 こう注意したのは大鶴部長である。
 冷たい口調で言い返す蓑口さん。

「何が失礼ですかぁ? こんな所でデタラメな報告を聞かされて私は迷惑しているのですよぉ」
「だから?」
「用事が有って帰らなければいけないのに残されるなんて時間の無断です」
「無駄?」
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