オバさん娘・三浦幸子の恋
 急に幸子が前に出て来た。
 いきなり蓑口さんの前に歩み寄り、凛とした表情で見つめ始めて相手を驚かせる。

「なーに、アンタ?」
「証拠なら、私が持っているけど」
「ハァ? なーによ?」
「言ったでしょう? 証拠なら私が持っているって」

 え?

 幸子が証拠をもっているって?
 私から話しかけてみる。

「どう言う事?」
「蓑口さん、スーツ姿の男性と会っていたよね? 密会したのかな?」

 幸子がお姉さんである渡邊佳恵と久しぶりに街で会った時だった。
 食事を済ませた2人は夜の繁華街を歩き始めた。
 佳恵さんは会食での話しの続きを始めた。
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