オバさん娘・三浦幸子の恋
 でも今回、秋山祐太郎と交際していると聞いて私は安堵している。

 それは良いけど、私は恵美の表情が気になって仕方なかった。
 何だか無表情で、さっきから黙っているからだ。
 声をかけてみる。

「恵美、何か心配事?」
「え?」

 恵美に注目する幸子。

「…」

 何も返事しない恵美。

「恵美」と言って、私は恵美の肩を軽くポンと叩いた。
「あ!? な、何!?」

 恵美はハッと驚き、私たちの方に振り向いた。

「どうしたの? 無表情のまま、ずっと黙って」
「ちょっとね…、考え事していたの?」と幸子。

 恵美はジッと幸子の目を見る。
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