俺が一生愛してやる!!
「アイツ、ちょっとした有名人なんだぜ。」
「どうして…。」
「だってさ、靴見て見ろよ。」
言われた通り、高梨の靴を見てみる。
「汚れてるな…。」
遠目からでも分かる。
泥だらけの靴。
「靴だけじゃないぜ、制服だってボロボロなんだぜ。」
「どうしてあんなに汚れて…。」
「超ド級の貧乏らしいぜ。母親が蒸発して、父親も働いてなくて金ないんだってさ。」
「貧乏…。」
俺は仲間の話を聞きながらも高梨から視線を外せないでいた。
あっ!
ふいに高梨がゆっくりとこちらを向いてきた。
視線が合うか合わないかのタイミングで思わず目を逸らす。
「クラスでもいじめられる以前の問題で、気持ち悪いから誰も近寄らないんだってさ。」
「何だか…、可哀想だな。」
もし、誰も近寄らない原因が貧乏、と言う事だけなら、彼女自身には問題はないと思う。
それなのに、皆で冷たい目で見るのは可哀想、だと思う。
「そうそう、可哀想な奴なんだぜ。だから俊樹も関わらない方がいいぞ。」
「あ、ああ…。」