自白……供述調書
ショカツ
「本間チャン、帰りにどうだ?」
声の方に振り返ると、阿久根係長が酒を飲む仕種をした。
「それ、もう終わるんだろ?」
「ええ、後はガイシャから取った調書を添付すれば終いです」
「そのヤマが片付いて、少しは暇になるかな……ふぁぁあ、と」
阿久根は背筋を伸ばし、声を出して欠伸をした。
「チョーさん、お疲れなんじゃないですか?
何でしたら、無理に誘わなくても良いんです」
「無理には誘わんよ。こう見えてもな、カミさんからは雀の涙位しか小遣いを貰っとらん。無駄な誘いはせんよ」
「じゃあ、今夜もゴチになるとしますか」
「おう、但しチューハイ三杯迄な」
「誘っといてそれですかぁ」
本間直彦巡査と、阿久根博嗣警部補は練馬署の捜査一課一係の刑事である。
阿久根は一係の係長で、本間はその部下として、もう三年の付き合いになる。
一係には、二人の他にもう一人佐藤巡査部長が居るが、現在、他署の応援に行っている。
二人は駅近くの何時もの居酒屋に寄った。
此処は個室があるから、他の署員も良く利用する。
プライベートとはいえ、会話から自分達が刑事であると他の客に知られるのは芳しく無い。
刑事達の会話は、判る者には直ぐにピンと来るものだ。
店の者は心得ていて、二人を見ると直ぐさま個室に案内した。
「お疲れさん」
「お疲れ様っす!」
「うん、旨い!」
「やっぱり仕事が終わった後の一杯は最高っすね」
「そうだな……。これで、きっちりホシを挙げていて金一封かなんか入ってりゃもっと最高なんだがな」
「ですね」
「本間チャン……」
「はい?」
「まだ、例の追っかけてんのかい?」
「ええ……」
「頭でっかちの課長にばれないようにやっときな……」
「すいません」
「謝んなくていいよ……本間チャン、おおっぴらには手伝えねえが、何かあったら言ってくれ」
「はい」
阿久根の気遣いに本間は感謝した。
声の方に振り返ると、阿久根係長が酒を飲む仕種をした。
「それ、もう終わるんだろ?」
「ええ、後はガイシャから取った調書を添付すれば終いです」
「そのヤマが片付いて、少しは暇になるかな……ふぁぁあ、と」
阿久根は背筋を伸ばし、声を出して欠伸をした。
「チョーさん、お疲れなんじゃないですか?
何でしたら、無理に誘わなくても良いんです」
「無理には誘わんよ。こう見えてもな、カミさんからは雀の涙位しか小遣いを貰っとらん。無駄な誘いはせんよ」
「じゃあ、今夜もゴチになるとしますか」
「おう、但しチューハイ三杯迄な」
「誘っといてそれですかぁ」
本間直彦巡査と、阿久根博嗣警部補は練馬署の捜査一課一係の刑事である。
阿久根は一係の係長で、本間はその部下として、もう三年の付き合いになる。
一係には、二人の他にもう一人佐藤巡査部長が居るが、現在、他署の応援に行っている。
二人は駅近くの何時もの居酒屋に寄った。
此処は個室があるから、他の署員も良く利用する。
プライベートとはいえ、会話から自分達が刑事であると他の客に知られるのは芳しく無い。
刑事達の会話は、判る者には直ぐにピンと来るものだ。
店の者は心得ていて、二人を見ると直ぐさま個室に案内した。
「お疲れさん」
「お疲れ様っす!」
「うん、旨い!」
「やっぱり仕事が終わった後の一杯は最高っすね」
「そうだな……。これで、きっちりホシを挙げていて金一封かなんか入ってりゃもっと最高なんだがな」
「ですね」
「本間チャン……」
「はい?」
「まだ、例の追っかけてんのかい?」
「ええ……」
「頭でっかちの課長にばれないようにやっときな……」
「すいません」
「謝んなくていいよ……本間チャン、おおっぴらには手伝えねえが、何かあったら言ってくれ」
「はい」
阿久根の気遣いに本間は感謝した。