自白……供述調書
幾分、冷めかけた珈琲を一口飲み、阿久根は再び話し始めた。
「話しを本題に戻します。木山のDNA鑑定はされてますか?」
いきなりのタイミングで切り出された。
森山がそれに答えようとすると、野間口妙子が目で制した。
「阿久根さん、その事をお聞きになりたかったんですか?」
「そうです。それで、もし、済んでいるのでしたら、あるサンプルと一致するかどうかを調べたいんです。逆に、まだでしたら鑑定をこちらからの意思でお願い出来ないかと思いまして」
「DNA鑑定という事は、練馬署では事件現場で犯人らしき人物のDNAを採取してるって事ですね?
しかし、変ですよね。仮にそうだとしたら、木山を容疑者と断定した時点で杉並署が鑑定してる筈です。それが……」
「森山君!」
「あっ!?」
阿久根の話しにつられて、鑑定の事実が無かった事を話してしまった森山を、野間口妙子が窘めた。
苦笑いを浮かべる阿久根に、
「その事を確認されたいのでしたら、私達の所ではなく、何故杉並署の方へ問い合わせないのですか?」
「木山が自供した時点で、我々の捜査権限は全て杉並署に移りました。その際、それ迄我々が調べ上げた捜査資料を杉並署に送ったんです。ですが、その殆どを必要無しとされ送り返されました」
「判った!捜査対象者が違っていて、それに対し、練馬署から木山は犯人では無いといった内容の事が書いてあったんですね?」
「そこまではあからさまに書いてませんよ。参考にしてくれと書き添えはしましたが」
「つまり、その辺の行き違いから来る関係で、直接聞く訳には行かないという事なんですね?」
「勿論、そればかりではありません。最初にお話ししましたように、この件は、私一個人の独断で動いている事なんです」
「阿久根さん、まだ奥歯に物が挟まったような言い方に感じられるんでけれど」
阿久根は、野間口妙子のその言い方に、やや気圧された。
「話しを本題に戻します。木山のDNA鑑定はされてますか?」
いきなりのタイミングで切り出された。
森山がそれに答えようとすると、野間口妙子が目で制した。
「阿久根さん、その事をお聞きになりたかったんですか?」
「そうです。それで、もし、済んでいるのでしたら、あるサンプルと一致するかどうかを調べたいんです。逆に、まだでしたら鑑定をこちらからの意思でお願い出来ないかと思いまして」
「DNA鑑定という事は、練馬署では事件現場で犯人らしき人物のDNAを採取してるって事ですね?
しかし、変ですよね。仮にそうだとしたら、木山を容疑者と断定した時点で杉並署が鑑定してる筈です。それが……」
「森山君!」
「あっ!?」
阿久根の話しにつられて、鑑定の事実が無かった事を話してしまった森山を、野間口妙子が窘めた。
苦笑いを浮かべる阿久根に、
「その事を確認されたいのでしたら、私達の所ではなく、何故杉並署の方へ問い合わせないのですか?」
「木山が自供した時点で、我々の捜査権限は全て杉並署に移りました。その際、それ迄我々が調べ上げた捜査資料を杉並署に送ったんです。ですが、その殆どを必要無しとされ送り返されました」
「判った!捜査対象者が違っていて、それに対し、練馬署から木山は犯人では無いといった内容の事が書いてあったんですね?」
「そこまではあからさまに書いてませんよ。参考にしてくれと書き添えはしましたが」
「つまり、その辺の行き違いから来る関係で、直接聞く訳には行かないという事なんですね?」
「勿論、そればかりではありません。最初にお話ししましたように、この件は、私一個人の独断で動いている事なんです」
「阿久根さん、まだ奥歯に物が挟まったような言い方に感じられるんでけれど」
阿久根は、野間口妙子のその言い方に、やや気圧された。