自白……供述調書
「ご、ごめんなさい、本当にすいません……」
「いいわよ。誰だって荒れちゃう事はあるから」
「ホント、ごめんなさい」
「もういいよ。心配しなくても君を強姦罪では訴えないから」
「僕、襲ったりしたんですか?」
「未遂……」
「……」
「嘘。冗談よ。君とは寝てないって言ったでしょ。私のマンションの方が近かったから、酔い潰れた君を運んで上げただけ。ほら、食欲が無くても少しは食べるのよ。弁護士は肉体勝負なんだから」
「はい……」
「ねえ、昨日の事、何処迄覚えてるの?」
「カラオケ行ったところ迄は薄らと……」
「そう、じゃあ思い出さないで」
「何か失礼な事、言っちゃいましたか?」
「少なくとも私には言ってない。それより、これからの事」
「木山の?」
「当面それが一番肝心な事でしょ?」
「でもその件は浅野先生が……」
「あのね、何でも他人の言う事を鵜呑みにしてたら、弁護士やってらんないわよ。元はといえば君が掘り出した事件なんだから、その本人が放り出してどうするの。よぉく夕べの話しを思い出しなさい。
浅野先生はああ言ってるけど、君は君で今迄通りやれる事があるでしょう」
「僕がやれる事、ですか?」
「そうよ。君だって夕べ私にその事で散々絡んだんだから。しっかり思い出して頑張りなさい」
「野間口さん、何だか僕のおふくろみたいな言い方だ」
「ありがたいお言葉を賜り感謝、する訳無いでしょ。独身女性にその台詞使うと、いろいろ誤解招くから、気を付けた方が良いわよ。それより、遅刻するから急いで」
酔った勢いで自分は何を話したんだろう。
その事ばかりが森山の頭を埋め尽くした。
「私、あっちで着替えるから、ドア開けないでよ」
そう言って、居間と玄関を仕切る扉の向こうに消えた野間口妙子に、ほんの少しだけ女を意識した森山だった。
「いいわよ。誰だって荒れちゃう事はあるから」
「ホント、ごめんなさい」
「もういいよ。心配しなくても君を強姦罪では訴えないから」
「僕、襲ったりしたんですか?」
「未遂……」
「……」
「嘘。冗談よ。君とは寝てないって言ったでしょ。私のマンションの方が近かったから、酔い潰れた君を運んで上げただけ。ほら、食欲が無くても少しは食べるのよ。弁護士は肉体勝負なんだから」
「はい……」
「ねえ、昨日の事、何処迄覚えてるの?」
「カラオケ行ったところ迄は薄らと……」
「そう、じゃあ思い出さないで」
「何か失礼な事、言っちゃいましたか?」
「少なくとも私には言ってない。それより、これからの事」
「木山の?」
「当面それが一番肝心な事でしょ?」
「でもその件は浅野先生が……」
「あのね、何でも他人の言う事を鵜呑みにしてたら、弁護士やってらんないわよ。元はといえば君が掘り出した事件なんだから、その本人が放り出してどうするの。よぉく夕べの話しを思い出しなさい。
浅野先生はああ言ってるけど、君は君で今迄通りやれる事があるでしょう」
「僕がやれる事、ですか?」
「そうよ。君だって夕べ私にその事で散々絡んだんだから。しっかり思い出して頑張りなさい」
「野間口さん、何だか僕のおふくろみたいな言い方だ」
「ありがたいお言葉を賜り感謝、する訳無いでしょ。独身女性にその台詞使うと、いろいろ誤解招くから、気を付けた方が良いわよ。それより、遅刻するから急いで」
酔った勢いで自分は何を話したんだろう。
その事ばかりが森山の頭を埋め尽くした。
「私、あっちで着替えるから、ドア開けないでよ」
そう言って、居間と玄関を仕切る扉の向こうに消えた野間口妙子に、ほんの少しだけ女を意識した森山だった。