自白……供述調書
真実
本間は連日の取調べでかなり疲労していた。
それは、肉体的よりも精神的な面で、その要因が間中邦彦にある事は間違いないところであった。
間中邦彦を調べれば調べる程、彼が光が丘事件の犯人とは思えなくなって来たのである。
彼の証言を一つ一つ裏付けを取って行くと、佐山芳子を殺害したとは考え難くなる。それでも現実には最重要容疑者である事には違いない。
ならば裁判中の木山悟がやはり犯人だったのかとなると、それも怪しい。
二人の関連性は、今の所確認されていないが、間中自身は完全に否定している。
現場に残されたDNAからすれば、毛髪一本の間中より、血痕の方の木山が犯人に近くなる。
だがそれを言うなら、被害者の爪に付着していた皮膚片の方がより犯人に近い。
第三の容疑者。
犯行現場には無数の靴跡が残っている。
指紋に関しても、複数の人間の物が検出されているが、いずれもはっきりとしたものは少なく、コンピュータ解析に回しても特定が難しい物ばかりだ。
完全に暗礁に乗り上げた……
そう思っていた時に、阿久根から電話が入った。
(電話じゃちょっと話せないんだ。遅くなっても構わないから会えないか?)
阿久根の様子がかなり差し迫っているように感じられた。
阿久根が指定して来た場所は、東京と埼玉の境に位置する駅だった。
夜の9時を回った頃、本間は指定された駅に着いた。
阿久根に電話で知らせると、駅前の商店街を入った直ぐにおでん屋があるからそこに来てくれと言う。
言われた通りおでん屋に着くと、二階の座敷に通された。
八畳程の座敷には、阿久根だけではなく、本間が初めて見る男が居た。
「よお、もう直ぐタモっちゃんも来る。それに、杉並の小野田刑事もな」
「……?」
「そうだ、二人は初対面だったよな。丹羽警部だ」
「丹羽です。宜しく」
「はじめまして、本間です」
「お噂は阿久根さんから伺ってます」
そうこうしているうちに全員揃い、阿久根が事のあらましを話し始めた。
それは、肉体的よりも精神的な面で、その要因が間中邦彦にある事は間違いないところであった。
間中邦彦を調べれば調べる程、彼が光が丘事件の犯人とは思えなくなって来たのである。
彼の証言を一つ一つ裏付けを取って行くと、佐山芳子を殺害したとは考え難くなる。それでも現実には最重要容疑者である事には違いない。
ならば裁判中の木山悟がやはり犯人だったのかとなると、それも怪しい。
二人の関連性は、今の所確認されていないが、間中自身は完全に否定している。
現場に残されたDNAからすれば、毛髪一本の間中より、血痕の方の木山が犯人に近くなる。
だがそれを言うなら、被害者の爪に付着していた皮膚片の方がより犯人に近い。
第三の容疑者。
犯行現場には無数の靴跡が残っている。
指紋に関しても、複数の人間の物が検出されているが、いずれもはっきりとしたものは少なく、コンピュータ解析に回しても特定が難しい物ばかりだ。
完全に暗礁に乗り上げた……
そう思っていた時に、阿久根から電話が入った。
(電話じゃちょっと話せないんだ。遅くなっても構わないから会えないか?)
阿久根の様子がかなり差し迫っているように感じられた。
阿久根が指定して来た場所は、東京と埼玉の境に位置する駅だった。
夜の9時を回った頃、本間は指定された駅に着いた。
阿久根に電話で知らせると、駅前の商店街を入った直ぐにおでん屋があるからそこに来てくれと言う。
言われた通りおでん屋に着くと、二階の座敷に通された。
八畳程の座敷には、阿久根だけではなく、本間が初めて見る男が居た。
「よお、もう直ぐタモっちゃんも来る。それに、杉並の小野田刑事もな」
「……?」
「そうだ、二人は初対面だったよな。丹羽警部だ」
「丹羽です。宜しく」
「はじめまして、本間です」
「お噂は阿久根さんから伺ってます」
そうこうしているうちに全員揃い、阿久根が事のあらましを話し始めた。