自白……供述調書
夕食後の点検に立ち会う為にやって来た夜勤者が、
「木山、明日にも病舎から戻って来るようですね」
と言って来た。
栗田は、まだ正式にその報告を受けていない。
「何時決まった?」
「午後の会議で決定したみたいです。病舎の佐藤さんが統括に呼ばれて、明日退病だって言われたみたいですよ」
近々戻す話しは耳にしていた。
決定したとなると、やらなければならない事が出て来る。
栗田は、雑務をさせている受刑者を呼んだ。
「25房の掃除とか大丈夫か?」
「はい、この前、営繕係に来て貰って畳交換も済んでます」
「そうか、明日から多分使用するようになるから、備品とかの確認をきちんとしといてくれ」
「判りました」
25房は担当台の真横の舎房である。
天井に監視カメラが埋め込まれ、要監視収容者専用舎房として使われている。
それ迄入っていた収容者が執行房(刑が確定した者が収容される舎房)へ移ったので丁度よかった。
木山を収容するならそこしか無い。今度は絶対にあのような事を起こさせてはならない。多分、控訴するであろうから、自分が舎房担当をする間は、間違い無く木山と付き合わなければならない。
自殺未遂をしたのは病舎に移ってからだったが、入病のきっかけは拒食行為からだった。
もっと監視をきちんとやっていれば……
そういう思いが強い。
又、幹部連中もそう思っているようで、暗に栗田を責めていた。
「部長、そろそろ点検の時間です」
「おぅ、そうだな。行くか……」
てんけ~ん、よお~い!
廊下いっぱいに若い職員の号令が響いた。
栗田は、収容者の写真が舎房毎に収められた点検簿を手にした。
「木山、明日にも病舎から戻って来るようですね」
と言って来た。
栗田は、まだ正式にその報告を受けていない。
「何時決まった?」
「午後の会議で決定したみたいです。病舎の佐藤さんが統括に呼ばれて、明日退病だって言われたみたいですよ」
近々戻す話しは耳にしていた。
決定したとなると、やらなければならない事が出て来る。
栗田は、雑務をさせている受刑者を呼んだ。
「25房の掃除とか大丈夫か?」
「はい、この前、営繕係に来て貰って畳交換も済んでます」
「そうか、明日から多分使用するようになるから、備品とかの確認をきちんとしといてくれ」
「判りました」
25房は担当台の真横の舎房である。
天井に監視カメラが埋め込まれ、要監視収容者専用舎房として使われている。
それ迄入っていた収容者が執行房(刑が確定した者が収容される舎房)へ移ったので丁度よかった。
木山を収容するならそこしか無い。今度は絶対にあのような事を起こさせてはならない。多分、控訴するであろうから、自分が舎房担当をする間は、間違い無く木山と付き合わなければならない。
自殺未遂をしたのは病舎に移ってからだったが、入病のきっかけは拒食行為からだった。
もっと監視をきちんとやっていれば……
そういう思いが強い。
又、幹部連中もそう思っているようで、暗に栗田を責めていた。
「部長、そろそろ点検の時間です」
「おぅ、そうだな。行くか……」
てんけ~ん、よお~い!
廊下いっぱいに若い職員の号令が響いた。
栗田は、収容者の写真が舎房毎に収められた点検簿を手にした。