自白……供述調書
森山は、木山の煮え切らない態度が不思議だった。
無罪を主張していた人間が、無期懲役の判決に不満を抱いていないのだろうか?
そんな筈は無い。
本来なら、住居侵入と窃盗の余罪でせいぜい三年位の刑だ。それが、身に覚えの無い罪で無期懲役だ。
死刑こそ免れたが、五十に手が届こうとしている人間にしてみれば、そのまま二度と社会に戻って来れない可能性が高い。
死刑にも等しいではないか。
法律が変わり、無期懲役者の仮釈放の基準も変わった。以前なら、十二、三年で社会復帰する者も居た。
それが、現行法だと、どう早くても二十五年前後は出て来れない。
その思いを長瀬貴子にぶつけた。
「たまにいるのよ。死刑判決を受けた人間の中には、死にたいから死刑にされるような事件を起こしたんだって言う人も居るわ。
きっと、木山さんは一審の弁護士さんから受けた不信感を引きずってるだけよ。まだ控訴期間はあるし、私もなるたけ時間を作って彼に会うようにするから、森山さんも、彼の信頼を早く得られるように頑張って」
長瀬に気持ちのもやもやをぶつけた事で、森山も幾らか落ち着きはしたが、頑張れと言われても、具体的にどうすれば信頼を得られるのか手立てが思い付かなかった。
拘置所から事務所に戻ってみると、野間口妙子だけが残っていた。
無罪を主張していた人間が、無期懲役の判決に不満を抱いていないのだろうか?
そんな筈は無い。
本来なら、住居侵入と窃盗の余罪でせいぜい三年位の刑だ。それが、身に覚えの無い罪で無期懲役だ。
死刑こそ免れたが、五十に手が届こうとしている人間にしてみれば、そのまま二度と社会に戻って来れない可能性が高い。
死刑にも等しいではないか。
法律が変わり、無期懲役者の仮釈放の基準も変わった。以前なら、十二、三年で社会復帰する者も居た。
それが、現行法だと、どう早くても二十五年前後は出て来れない。
その思いを長瀬貴子にぶつけた。
「たまにいるのよ。死刑判決を受けた人間の中には、死にたいから死刑にされるような事件を起こしたんだって言う人も居るわ。
きっと、木山さんは一審の弁護士さんから受けた不信感を引きずってるだけよ。まだ控訴期間はあるし、私もなるたけ時間を作って彼に会うようにするから、森山さんも、彼の信頼を早く得られるように頑張って」
長瀬に気持ちのもやもやをぶつけた事で、森山も幾らか落ち着きはしたが、頑張れと言われても、具体的にどうすれば信頼を得られるのか手立てが思い付かなかった。
拘置所から事務所に戻ってみると、野間口妙子だけが残っていた。