喫茶人形 〜メイドの恋〜
「ユキナ?
そんなところに立ってないで
こっちにおいで」
「…はッ はい…!」
――… 広い
壁に油絵とか
白い石膏の像とかある…
キレイに飾られた花瓶
二階へと続く階段
「知らない所で
緊張するかもしれないが
ここはもう、ユキナの家だ
自由に過ごしなさい」
「…な… 何をしていいか」
「少し、若い女の子の好みを聞いて来た
雑誌やDVDも、いくつか取り寄せたよ
…しかし俺たちの頃は、何か流行ると
それに全員飛び付く感じだったんだが
今はコロニー化というか
細分化というか…
あ、いや
つまらないよな こんな話」
「あ…ッ いえ!
―― む…
ムズカシイ言葉でいわれちゃうと
わけわかんないですけど
私も、アサノさまの興味あること
…知りたいです」
「…あまり可愛いこと言うと襲うぞ?」
「わッ…!そ…」
私は真っ赤…
…アサノさまは私を抱きしめて
笑いながら、のぞきこんで来る…
…優しいキス
「…疲れたろう
明日から学校だし、少し眠りなさい
俺は一度、出かけて来る」
「…は…い」