喫茶人形 〜メイドの恋〜
真夜中のネオン
繁華街には たくさんの人
この前は怖くて
あまり見てなかったけど ――――
必死に駅へ走る
サラリーマンの人たちと
すれ違いながら
電光掲示板の下を通り
二十四時間ショップのトイレに入って
化粧を直した
「ここだよ!ユキナ」
にぎやかな場所から少し外れた
道路沿いのビルの一画
チラシはユイファさんに渡して
私は顔を下に向けて、その後ろに並ぶ
心臓がかなりドキドキしていたけど
…あっさり入口を通れてしまって
「……ナ!!…でイイよね?!」
「えッ?!」
外とは違う
初めての闇と光
耳が痛くなるほどの大きな音が
冷や汗と一緒に 体中を包んでる
「…飲〜…の〜!」