喫茶人形 〜メイドの恋〜



軽く頭を ポンと叩かれて
その拍子に私は、床に尻もち


…コツコツと靴音を鳴らして
唇ピアスが向かったのは
立っているヨルのところ


「トオヤマさ…ッ」



…なんの前ぶれもなくヨルは
思いきり胸ぐらをつかまれて
お腹に何発も ケリを入れられた


「なんかバタバタしてるし
俺もどっか移動するわ

…んじゃね " ヒロコ "ちゃん」


「…え
トオヤマさん 移動すんの?」


「ミコの店でも行くか」




もうまるで
いっさい興味はないみたいに
ワイワイ 男たちは出て行って…

部屋に残されたのは…


泣きながら床に吐いているヨルと


なにが起こったのかわからず
尻もちをついたままの私だった ……




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