喫茶人形 〜メイドの恋〜





… リョウスケが
ゆっくりと指で触れたのは、私の頬



「…泣き声もあげないとか
――― そういう泣き方すんな…」


「私… 泣いてる…?」


「…俺が入って来た時から、ずっとな」



リョウスケは…
ずっと涙を ふいてくれながら
片方の手で 頭を撫でてくれる…


「…お前に、おめでとう って
言いに来たのに 何だよこれ…」


「…ッ… ぁ… あのね…?」


「…うん」


「アサノ…まから、
全…ん絡がないの…」


「…うん」


「でね…
わたし…ッ 多分みがわ…みがわり…」


「身代わり?」


「…ぉ おかぁさんの…
しゃ 写真がね…?」


「うん」


「せ…服の…ッぉかあさん…
アサノさまと…写ってた…」


「…うん」


「でもね…?
それはそ…なにショックじゃなくて
…どぉして私なのか
謎がとけたとか思ったの

ヨルが助けてくれなくても
それは、どこかでわかってたの…

だけど

…ユぃ…う…ッ

う…ぅえぇええ〜〜……」





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