喫茶人形 〜メイドの恋〜




目を覚ましたのは夜で

横を向くと
…リョウスケと目が合ってびっくりした


「…おはよ ユキナ」


「おッ… ぉはよ〜…」


…なんか恥ずかしい


「リョウスケ、ずっと起きてたの…?」


「ずっとじゃないけど
…腕がしびれてやばかった」


「えッ… あぁッ!ゴメンッ!」

「いいよ」


ずっと…
腕枕してくれてたんだ…

うれしい…


引き寄せられて
すごくしあわせを感じる…


…でも


ずっと気がついてはいた ―――

左腕の、ヒジに近い所に
縫ったアトみたいのがあって…
触ると 少し浮いてる感じ…


「これ …どうしたの?」




「…ジャングルジムから落ちた」


「…ええええ〜ッ?!マジでッ?!」


「マジ
すっげー高いジャングルジムでさ
もうちょっとでたどり着く!ってとこで」


「も〜…ッ
なんかリョウスケって
小さいときとか
すっごいイタズラとかしてそう〜」


「なんでそんな事わかんだよッ」


「わかるに決まってるでしょ〜!」




…聞いてから

少し、しまったかなと思った


…リョウスケが、ほんのちょっとだけ
答えるのに間があったから…


でも今は私のこと
笑いながらくすぐってるし
私も仕返しにくすぐり返してる


だからすぐに空気は、元に戻った…



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