喫茶人形 〜メイドの恋〜



「それからは ―――

お父さんの彼女
ユキナのお母さんと
三人一緒に、中学時代を過ごした…


高校からは、別になってしまって
メールや電話で連絡を取っていたけど
…俺もまだまだ無愛想だったし
お互い、移動の多い家庭だったからね


… 君のご両親の事故を知ったのも
だいぶ後になってからだ…」


「……」


「…あの店に行ったのは
リリスが、俺の古い知り合いで
そこで偶然、君を見かけて…

――…

もしかして…ユキナ」



私は 下を向いた


「ユキナ!誤解しないで欲しい
…今も言ったが、リリスに聞くまでは
君が、彼らの娘ってことを
俺は全然知らなかったんだ…!

…君のお母さんの代わりとか
そんな風に考えていたなら…!」




…もし、それをあの後
すぐに 聞いてたら ……


「…君を家に呼んでから
連絡がつかなくなったのは
現地でテロが起こって ―――」


…ううん




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