喫茶人形 〜メイドの恋〜
「…… トオヤマさんッ!!」
「は?!?!
何してんだこんなとこで…
男に会いに来たんじゃないのかよ?」
まっすぐに向かったのは
こないだ来た時の倍くらい
踊ってる人がたくさんの、あのクラブ
…どこを探していいか
全然、わかんなくて
だけど
"この人なら、絶対知ってる"
…そう思って、ここまで来た
「…"極楽町"?」
「はぃッ!
――… 地図にないって…
通称だって、聞いて…
そういう場所、トオヤマさんなら…!」
二階の小部屋
ソファに寝転がっていたトオヤマさんが
突然ゲラゲラ、笑い出した…
「…馬ッ…鹿だなぁ
まぁ…
あながち間違ってないけど…
つか、お前また人に
タダ働きさせるつもりで来たの?
前に言った意味、わかんねえかな
人生、ギブアンドテイクなの
わかる?」
「あ…」