喫茶人形 〜メイドの恋〜




「ユキナ…!!立てるか?!」


「…リョウ…スケ…?」


手…赤いよ…?


「リョウスケ

…救急車は呼んだ
ユキナを連れて、駅へ走れ!!」


「…アサノさま?」


メガネ…なくて
服もぐちゃぐちゃだ…




―… リョウスケに抱かれて


部屋から出る時


玄関先に、バットをもって倒れてる男と


…ボー然として立ってる


田中さまを見た…




パステルと蛍光色に


白くぼんやりと光る


EDENから 東へ ―――…




それから…


車に乗って、どこか


白いタワーと、観覧車の光…


船が見える港を通って


とても小さい


ビルの中の診療所みたいに所に


私は運ばれて…




ずっと、私の手を握っていてくれる


強い、あたたかな 手の感触と…


私の名前を呼ぶ せつない声が


ずっと…ずっと…


耳元で 聞こえてた…







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