喫茶人形 〜メイドの恋〜




…… な…に?


控室みたいな
別室に移って…

皆がビールとか
オードブルを食べてる中

私の真後ろから突然
その声は聞こえて来た




「金持ちの男と結婚するとか…
こっちだってそれを信じて
デカい投資しちまったってのに…」


「…お父さん…ッ
ほんとに…やめてくださ…」


「さんざん遊び回って、迷惑かけて…
やっと出てったと思ったら
結局男に騙されて
ゴミみたいに棄てられこのザマだ

…馬鹿としか言いようがないだろうが!」




なに…?


お父さんが…こんなこというの…?


なんで…?


それに…


それにユイファさんは…




「――馬鹿… ゃなぃょ…」




体中がふるえて…
涙がボロボロこぼれた…




「…あ?」


「ユイファさんは…
ゴミなんかじゃないッ!!!」




「――… ユキナ! 待ちなさい!」






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