喫茶人形 〜メイドの恋〜



アパートの前に着いても
何だか昨日のことが夢みたいで

…実感がないっていえばいいのか



鍵を開けようとして
それがもう開いていた時

…もう今はお昼過ぎで
私は自分が、外泊したんだと気付いた


部屋の中から、テレビの音 ―――


「お!おかえり」


ヨル…


ううん、怖がることない
だって…


「夕べ
お前の親戚から、電話あったぞ
なんか、美人そうな声だった」


…え


「…あのさ〜 これからはちゃんと
自分で電話かけて来いよなぁ

まぁ、昔の友達に会って
飲み会とかいったら
盛り上がるのもわかるけどさ…

あとやっぱ、ケータイ持てよ
そしたらすぐに連絡取れるんだし」


美人そうな声…
リリスさま…?


「…それとさ
ちょっと言いづらいんだけど
また、金貸してくんない?

今度、断れないパーティーあってさ」


「…うん」



… 別に、なんてことない




< 33 / 391 >

この作品をシェア

pagetop