喫茶人形 〜メイドの恋〜




海のあるここは
温泉客と海水浴客も増えて
冬以上に、にぎやか



「え…どこ?海?」



青い空
入道雲

坂をおりてく自転車
学校からの、帰り道


新しいクラスの
目立つグループにいる 友達に
いきなりかこまれ、声をかけられた




「海とかぁ…
そんなわけないし!
毎日見てるし行けるし、飽きてる〜

遊びに行くって言ったら
…ク・ラ・ブ でしょ!」


「そそそ!ユキナも行こうよ!
前住んでたって聞いたし
案内とかして欲しいの〜」


「――…あ」




…あの"ユキナ"のウワサは…
自分で思うよりも、ずっと広まってて…
一応、違うってことも
まわったみたいなんだけど


あのバスケ部の先輩と
一緒にいたこともあって
"東京では結構遊んでた"みたいに
話が変わったらしい…


「真夜中からだし
うちに泊まったことにして
行こうって話してんの!行くよね?!」


「すっげー楽しみ〜!」


「あ…ゴメンね?
私は…いぃよ」


「え〜ッッ!なにそれッ!」


「わッ…
私ほら!…留年しかけたし」


「え〜 すでに〜
ユキナは行くメンツに入ってて
計画立ってんのに〜」


「ほ…ホントごめん…」


「朝にはすぐ始発で帰るし
アリバイばっちり作るしさ〜
ね〜行こうよ〜

…ユキナいないとつまんない〜」


「…あ」



…ちょっと今
声にマジ入った
あんまり断ってると
ヤバイ感じ…?

…でも
どうしよう…




「―― あの〜…スイマセン。
うちのカノジョ
夜遊びに、誘わないでくれます?」




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