喫茶人形 〜メイドの恋〜






「キレイだな…ここの海」


「…うん」




オレンジ色した夕暮れ ――

リョウスケと私は、車の中…




「あの子達も近場に
こんないいところ、あるのになぁ…」




"毎日見てるし、行けるし、飽きる"…


ずっとここに住んでるから
どれだけキレイでも
それは、当たり前の風景…




「…おまえ
俺が来なかったら、絶対遊び行ってたろ」


「…なんで?」


「なんでじゃねえ
これからはちゃんと断れよ?」


「…じゃあ、行くなって言って」


「――… 行くな」


「…はぃ」




「…なにそれ ―――

…ホントお前
素直なのか意地っ張りなのか
わっかんねえよな…」


「リョウスケ以外には、すなおだもん…」


「よし。
ちょっと降りろ、海に沈めるか」


「えええッ?!い〜〜や〜〜ッ!!」




きっと…


ここのキラキラより…




< 347 / 391 >

この作品をシェア

pagetop