喫茶人形 〜メイドの恋〜



かなり重い
笑いながら、渡されたそれは…


黒い…革の真ん中に
王冠の入った
大きなエンブレムがあって…
その両わきにも
金色の紋章がついてる…




「なッ…?

――― これ… ベルト?!」


「うん、昨日…
じゃねえか、わかんね
一週間くらい前か、とった」


「と…ッ
とったって…!!

―――― じゃ… じゃあ、

し、試合したってこと?!
しかもそんな前って…

なんで…
なんで教えてくれないの?!」


「だって顔とか、はれてたし…」


「そ…!
も…!…… 馬鹿ぁッ!!」


「…殴り屋やってた時
ユキナ、すげえ顔して見てたろ…
…だから」


「……ッ」




「ホントは…指輪でも
買って来ようかと思ってたんだけど

サイズとか…何号とか
俺、よくわかんねえし」




「―――― ばかぁ…!!」


「…って事で、ごほうびくれ
これから、うち泊まりに来い

んで、明日の朝、指輪買いに行こう」


「〜〜〜…ズルイ〜…」


「なんでだよ」


「…笑うなぁ…ッ」




なんにも…




なんにも言えないよ…こんなの…





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