喫茶人形 〜メイドの恋〜
リョウスケがジムで練習してた頃
よくここにこっそり
コロッケとか買いに来てたらしく
わたしが買い物に来た時も
オマケとか、たくさんしてくれる
「ダンナ、元気か?!」
「はい!」
「… まあ、残念だったなあ
網膜剥離なら、仕方ないんだけどさ」
「――… はい」
「ちょっとアンタ!」
「っと!悪い悪い!」
「ユキナちゃん!
今日はお夕飯、なんにするんだい?!
鳥肉が特売だけどね!」
「オカズ、どうしようかなぁって
悩んでたとこなんです」
「から揚げなんかどう?
今からニンニク醤油につけこんどけば
リョウスケくん帰って来る頃には
い〜感じになってるよ!」
「おいしそう!
…うん!そうします!」
「オマケしとくからね」
「いつもありがとうございますッ!」
――――… そう
もうリョウスケは、ボクシングが出来ない…