喫茶人形 〜メイドの恋〜




「たっだいま〜!」


「おっかえり〜!ん〜♪」


「ん〜…って
あ、やっぱちょい待って
風呂入ってからにしよう
俺、手え汚れてるし」






真っ白い湯気
二人で入る、ちいさなお風呂


最初はホントーに
すっっごく恥ずかしかったけど…




「リョウスケ〜
背中ぁ、かゆいとこある〜?」


「真ん中〜
ユキナ、映画館調べたかぁ?」


「うん!ケータイで調べたぁ」


「…ごめんな」


「え、何が?!」




「テレビ
中古で安いの買ったけど、小さいしさ
服もあんま、いいの買ってやれないし
PCとかもあれば、暇つぶし出来るのに」


「ううん!
…リョウスケといられれば
わたし、それでいいから…」


「―――…」


「ぃやあああ?!
お、おぼ、溺れるうううう!!


…… も…
リョウスケのばか…
映画始まっちゃ… ん…」





小さなテレビから 聞こえる音




窓の外で、点滅するネオン…









映画、結局みれなくて


お風呂あがって、一回寝てから


二人で一緒に からあげ食べた


おいしいって喜んでくれる顔は


何度みても、嬉しいなって思う…




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