喫茶人形 〜メイドの恋〜
カタン…
午後の庭
静かな 夏の風に吹かれながら
物音にゆっくり 顔をあげると
アサノさまの肩越し ―――
白い格子の部屋の中に立つ
ポットを持ったリョウスケと 目があった
「…ぁ…ん…ッ」
…レースの長い、カーテンがそよいで
乱れた呼吸のまま…
次にアサノさまの肩から
顔をあげた時には…
リョウスケは奥に入ったみたいで
もう、姿がなかった…
――… 別にお互い 驚くわけもない
だって私は『ドール』だし
彼は『庭師』だ…
こうして『ご奉仕』しているところは
毎日 夜の『屋敷』で見てるんだもの…