喫茶人形 〜メイドの恋〜



「もう…平気なの?!」


「うん!」


ユイファさんと二人
抱きしめあった

自分の目から
どんどん涙があふれて来る



「いろいろあったけど
これからも頑張って行くわ

―― 幸せになる事をあきらめたら
そこで終わりだもの…」



「…ユイファさん」



「シャノンさん
そろそろ行きましょう
リリスさまがお待ちです」


「リョウスケ」



「…あれ?シャノン
この人だれ?
新しい『庭師』の人?」


「はい!
よろしくお願いします
ユイファさん」



リョウスケは
私と出会った時と同じ様に
明るい笑顔を、ユイファさんに向ける


「そっかぁ
同じ屋敷にいるのに
意外と会わないね〜」


「皆さんが表に出てる時は
俺らは裏方にまわってますしね」


「だね〜」


「…ってことで
シャノンさん!もう行かないと!
リリスさま
時間に厳しいお方ですから」


「あッ!そうだった!
ユイファさん!また後でね!」



ユイファさんと、手を振り合って
私は、リリスさまの待つ
執務室へと走った




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