喫茶人形 〜メイドの恋〜



でも…

ドアの前に立った足
ノックをしようとした手が
なんとなく、止まってしまった…


「シャノンさん?」


「あ…」


「どうしたんです?
もしかしたら、ユイファさんの事
気にしてるんですか?」


「……」



―――― ユイファさん

どこか、寂しそうだった

いろいろあって
辛かったのは理解出来るし…



「遠慮なんて、しなくていいんですよ」


「…え」


「シャノンはシャノンの幸せ
ちゃんと見つけたんだし
俺はそれで、いいと思うよ」


「……」



「いろいろ考えてるなら
リリス様に、相談すればいいよ

…あの人怖いけど
めちゃめちゃ『ドール』の幸せ
考えてくれてるし

それにさ、俺もいるじゃん!」



「リョウスケ…」


リョウスケは…
あのヒマワリみたいな
影のない表情で笑う


…リリスさまに
言ってみても いいのかな
私が思ってる、今のキモチを ――――





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