君と僕の場合
〈奏兄ちゃん〜!何見てんの?〉
〈ね〜!そんなとこで 寒くないの〜?〉
〈ね〜!〉
〈ね〜ってば!〉


もぅ ほんとウルサイ。ほら、そらもおいで!

〈うん。行くぅ〜!〉
〈よいしょっと!〉

〈うっわぁ〜!すごい!奏兄ちゃん !すっごいの!〉

なぁ〜すごく綺麗だろ?ほら、あれがオリオン座。そして、あれが北斗七星。
どう?分かる?

〈うん!分かる!〉
〈この前、学校で習った!〉

そうか。じゃあ復習だな!

〈うん。復習 復習〜!〉


奏〜?そらちゃん〜?いるの〜?ご飯よ〜!

あっ ヤベ!母さんだ!

〈あっ ヤベ!おばちゃんだ!〉

こら!真似するな!

〈ヘヘヘっ!〉



僕は、いつもこうやって星空を眺める。屋根の上で、思う存分手足を伸ばして。星を見てると、嫌な事も忘れてココロが楽になる。ここは僕だけの秘密の場所。
……だった……昨日までは。

今日、とうとうそらにバレてしまった。

そらは、僕の隣に住んでる。っていっても、そらの両親が遅くまで仕事で帰らないから、ほとんど僕の家で過ごしてる。晩ご飯も食べてくし、お風呂だって。

いつもは、リビングで僕の母さんに宿題を見てもらっていたのに、今日に限って宿題が無かったらしい。
そして、僕を探しに…。

まぁ いつか、この秘密の場所のこと、そらにも教えようって思ってたから、その いつかが少し早まっただけだけどね。





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