私の好きな人

その光景を黙って見ていた俺に気づいたのか、親父と目が合った

親父は、少し悲しげな目をすると…


「遥、もう昴を誘惑するのはやめろ」


息を整えてた遥に低い声を出し言った


「……っ…分かってるよ
だから、一度だけしかヤってないでしょう…？」


えっ…
ちょっと待て…

遥、俺とヤったこと気づいていたのか…？


「いつかやるとは思っていたが…
本当に自分の息子を落とそうとするとはな…」

「仕方ないじゃん

あのときは、本当に寂しくて…
昴が少し司に似てたから、ちょっと遊んだだけだよ…

自分の息子だから…
浮気はしてないよ…？

だから、お願い許して…」


遥は、親父に抱きついたまま
甘い声を出し振るえていた

まるで支配欲を擽るのように


「仕方ないじゃない
お前は昴を利用したんだ

今の昴を見て分かるだろ
お前が誘惑して壊れた男たち、そっくりだ

お前が欲しくて堪らない
そんな感情を実の息子にあたえたんだぞ

そんな顔で俺を誘惑するまえに
ケジメをつけろ」


親父は遥を本気で怒っていた
遥は、親父が本気だと分かったのか
服を整えて、俺がいるドアに向かってきた