私の好きな人
「万が一のためだ
遥には蛍の身代わりをやってもらう」
「だから、ふざけんなよ!恭也!
お前の考えていることは分かるぞ!
遥が身代わりになり
もし誘拐されても、奴等が遥の誘惑で好きになるかもしれない
そうすれば
蛍や雫は眼中になく、解放される
だけど、遥はどうなる⁉︎
奴等は遥を簡単に手放すと思ってんのか⁉︎」
そうだ…
遥を手に入れたら最後…
骨の髄まで愛し
手放せなくなる…
一生、遥は
囚われの身だ
「慶都、もういいよ」
遥は慶都さんの肩を叩き
ニコッと笑い蛍さんを見た
「洸…
洸が恭也と決めたんだよね…?
蛍を奴等に奪われるくらいなら
僕を蛍の身代わりして守ろうって…」
遥は悲しい顔をして蛍さんに言った
「ごめん、遥!
私どうかしていた…!
遥を身代わりにするなんて…!
私が…『そうだ、俺が恭也と決めた』
蛍さんは、途中意識を失ったように顔を下に向け、すぐに顔を上げた
この雰囲気は…
「洸…」
遥は悲しげな顔をしながら
愛おしそうに洸さんの名前を呼んだ