私の好きな人
「おい、お前の名前は雫だったよなぁ?」
「呼び捨てしないでくれる⁉︎
あなた誰よ!私をどうするつもり⁉︎」
私が男にそう言うと
男は一瞬驚いた顔をしたあと
またニヤリと笑い
「この状況で、そんな態度とる女初めて見たぜ、ますます気に入った
だけどなぁ…」
「…っぁ…!」
「俺に逆らおうとすんじゃねぇよ
お前は今から俺の奴隷なんだからな」
男は私の首をいきなり締めてきて
冷めた顔で私を見ていた
く、苦しい…っ
け、慶都…助けて…っ!
「栄治。
その子、せっかく気に入ったのに殺しちゃうの?」
「バーカ。
殺すわけねぇだろ
これは躾だ
ご主人様が誰かはっきりと分からせるためにな」
「…っ…はぁ…はぁ…」
男は後ろにいる男の言葉に答えたあと
私の首を締めている手を離した
な、なにコイツら…
今までこんなヤツらは見たことがない
それにコイツ…
私を本気で殺す感じだった
殺さないと言っているが…
私が下手に抵抗したら、確実に殺されていた