私の好きな人

「じゃあ、また」

「あぁ、頼む」


そう言って、辰也という男は私がいる地下牢的なところから出て行った


私はやっと息が整い
栄治という男を睨んだ


「なんだ、その目は
俺に殺されてぇのか?」

「…慶都が助けに来てくれる
あんたは終わりよ」


そうだ…
私には慶都がいる

慶都が助けに来てくれる…


「…ふはっ
ここに、簡単に来れると思ってんのか?

さっきいたヤツは、如月組と同じくらいの力をもった一ノ瀬組の若頭なんだぞ?

アイツを倒さない限り
ここに助けは来ねぇよ

それに…
アイツが本気になれば
如月組は終わりだ

慶都だったか?
そいつも終わりだ」


男はニヤニヤと笑いながら
私の頬を掴み言った


一ノ瀬組⁉︎
まさか、さっきの優男が一ノ瀬組の若頭だったの⁉︎

ヤバい…
本当に慶都が危ない…!


「その反抗的な目は魅力的だが…
それがいつまで続くかな?」


私の頬を乱暴に離すと
男は私が閉じ込められていた牢屋に鍵を閉め出て行った


「慶都…」


私を助けに来たら
慶都が危ない…

どうすればいいの…


私はここから出る手段を考えた

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