私の好きな人

「相変わらず色気を出されていて
昔もそうでしたが…
今もドキッとしますよ」

「嘘だね。
そんなこと思っていたなら
僕を抱いてくれてたでしょう?」


司が出張中のとき
辰也くんと偶然出会った

それが偶然か
それとも辰也くんが仕組んだのか今でも分からないが…

何度か辰也くんを誘ったが
全て断られた

辰也くんは、ある目的のために
僕を仲間にしたかっただけだから

僕の誘惑に引っかからなかった


「辰也くんが攫ったの
僕の娘だって知ってるよね?

僕、辰也くんに大きな貸しがあるはずだけど?

それに、僕言ったよね?
僕にもう関わらないでって

僕に関わらないでってことは
僕の周りにも関わらないでってことだよね?

頭のイイ、辰也くんなら
それくらい分かってたよね?」

「俺も言いましたよ
如月組を潰すつもりなので
如月組には関わると…

遥さんの娘さんには悪いことしました
でも必要なことだったので…

ですから、蛍さんではないと分かっていたからこそ遥さんを誘拐したのではありませんか

雫ちゃんを取り返すために
遥さんが囮になったんでしょう?」


さすが、ちゃんと分かっているんだね…
だけど…

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