私の好きな人
「はいはい。そこまでだよ、栄治」
辰也が俺と女の中に入り
女を俺から引き離した
女は、少し涙目で頬を赤く染め
口からはヨダレが出ていて
俺はますます女に興奮した
「ちょっと、栄治
少し落ち着きなよ」
辰也は、女を隠すように
女の前にたち俺に女を見せないようにした
俺は邪魔されたことに苛立ち
辰也を睨んだ
「うわぁお、怖い怖い
そんな顔しないでよ」
嘘つくな
怖いって言いながら
全く怖そうにしてねぇだろうが
俺は、辰也の言葉で冷静さを取り戻した
「手を出すのいつもより早いよ
気に入った雫ちゃんより、手を出すの早かったよ?
お土産、そんな気に入った?」
辰也はまるで自慢の娘を紹介する父親のように、嬉しそうな顔をして俺に言ってきた
「………早くその女を寄こせ」
キスだけじゃ満足出来ねぇ
もっと、もっと その女が欲しい
なんなんだ、この気持ち…