私の好きな人
「ヤバいヤバい…
僕はもう出来ない…
早く会いたい
辰也くん、お願い…っ
早く僕を帰らせて…っ!」
女は、辰也に救いを求めるような顔で
辰也に縋っていた
な、なんだ…?
どうしたんだ…?
辰也は、混乱している女を抱きしめると
女の後ろに手を伸ばし首に一撃を食らわせた
女は意識を失ったのか
辰也に身体を預けるように倒れた
「お、おい…
一体、どういうことだ…?
さっきまでの余裕ある女の感じじゃなくなったぞ
まるで別人だ」
俺は女を抱きしめている辰也に聞くと…
「………」
「…っ…」
辰也は、冷めた顔で女を見下ろしていた
俺は、そんな顔の辰也を見て身体が恐怖で固まった