私の好きな人
「………栄治」
「な、なんだ…?」
辰也は、俺の方を向かず
ただ威圧的な低い声を出し俺の名前を呼んだ
「この人…
少し借りてもいいかな…?
ちょっと確認したいことがあるんだ」
「えっ…⁉︎ あ…」
いいとは言えなくなった
俺は、早くその女を欲していたから…
「確かめたら、すぐに返すよ
もし俺の思ったとおりだったら…
雫ちゃんやこの人を好きにしてもいい
人質なんて関係なくなるからね」
辰也は、俺の言葉を聞かず
女を腕に抱いて部屋から出て行った
あんな顔の辰也初めて見た…
あれが辰也の本当の姿か…?
辰也が恐ろしいヤツだと言われ続けた理由が分かったかもしれない