私の好きな人
辰也は、家に着くと
自分の部屋に行き、布団を用意して
その上に女を寝かせた
「辰也、一体どういうことだ…?
予定と全く違うぞ…?」
俺は恐る恐る辰也に聞いてみた
辰也がこんな状態になるなんて…
今まで数回しか見たことない
それだけ冷静なヤツなのに…
今はあの薄気味悪い笑みも浮かべていなかった…
「まず一つ言うと…
この人は、如月 蛍じゃない
お前もよく知っている遥さんだ」
「…えっ⁉︎」
この女は…
遥さんだったのか…⁉︎
確かに如月 蛍と瓜二つだから
見分けがつかなかった
「如月 蛍の代わりに遥さんが囮になることは、だいたい予想ついていたんだけど…
ちょっと…」
辰也は、今まであったことを教えてくれた
だけど、肝心な遥さんを何故栄治さんに渡さなかったのかは教えてくれなかった