私の好きな人
慶都の心
〜 雫 視点 〜
私は誘拐してきた男たちの目を盗んで
ここから脱走する準備をしていた
この地下牢からは簡単に出られそうだけど…
上の様子が分からない…
私はそのことを気にして
脱走することが出来なかった
「……やるしかない…」
ここで考えても仕方ない
動くしかないんだ
奴等が来ないうちに…
私は地下牢の扉をヘアピンで開け
階段を上り、上に向かった
誰もいない…?
私は恐る恐る廊下を確認しては小走りで移動していた
家が大きいのか
いくら歩いても廊下と部屋があるだけで
玄関が見当たらなかった
どこ…!
早くしないと…
私は必死に探していたら…
「へぇ…
よく出られたな…?」
私の後ろから男の声がした