私の好きな人

「遥、蛍さんにそんなことを言うな
すごくお前を心配してたんだぞ」

「ねぇ…
僕のこと知ってる感じだけど…

僕、あなたと会ったことあるっけ?」


お母さんはお父さんの方を向くと
不思議そうにお父さんを見ていた


「な、なに言ってるの、お母さん…
お父さんだよ…?お母さんの大好きな…」

「えっ…?お父さん…?
雫のお父さんってことは…

僕の夫なの…!?」


な、なに言ってるの…?
どうしちゃったの…

お母さんがお父さんを忘れるなんて…


「辰也くんの話と違う…

まさか、辰也くん…」


お母さんは一人ごとのように何かを言って考え始めた


「遥…?」

「慶都…?
まだ僕の近くにいたんだね…

まあ、いいや

慶都全て説明してくれる?
慶都なら僕の今まであったこと知ってるでしょう?」


お母さんは慶都の呼ぶ声に気づくと
慶都を見下したような目で慶都に言った

慶都はお母さんの言うとおり
全てを話した


昔のお母さんのこと…
お母さんとお父さんが結ばれたときの話を…


私はその話を聞いて…
お母さんとお父さんは色んなことがあって、今やっと結ばれたんだと知った


お母さんとお父さん…

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