私の好きな人

「遥…」

「……っ…
なんで僕、思い出せない…

いや、思い出したくない…っ
僕、僕は…っ」

「遥…っ」


男は僕を強く抱きしめた


「大丈夫だから…
俺はお前のこと好きだから…

お前をちゃんと愛してるから…
お前はお前だから…

誰かの代わりじゃないから…」


この人…
僕の過去を知ってる…

本当に知ってるんだ…

それを知って…
僕を愛してくれてる…


「僕のこと…
僕を愛してくれてるの…?」

「ああ…」


そうなんだ…
だから、僕はこの人を愛したんだ…

僕を受け止めてくれる人…

そうなんだ…ね…

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