私の好きな人
〜 司 視点 〜
「遥……?」
遥はどこか嬉しそうに笑って眠っていた
「司、どうやら一ノ瀬組は遥に
今までの記憶を消して
昔の遥…つまり誰でも誘惑していた頃の遥の記憶だけを残していたらしい
その遥が欲しいって言っていた
遥は組に役立つらしい」
「……なんとなく分かります…」
遥のこの人を惑わす力があれば…
相手は遥に夢中になり、警戒が弱くなる
そして…殺したりする…
遥は利用価値があるんだろう…
「お父さん…」
「大丈夫だよ、雫…
遥はもう記憶が戻ったと思うから…」
不安気に俺を見てきた雫に俺は優しく言って遥を腕に抱き恭也さんにお礼を言い
恭也さんの家を出て、俺らの家に向かった
家に着いて、俺は寝室に行き遥をベッドの上に寝かせた
ありがとな、遥…
お前のおかげで無事に雫は帰ってこれたよ…
俺は優しく遥の頭を撫でた