私の好きな人
『遥のヤツ…
女が産まれてきたら、最初から冷たくするつもりだったんだと…
なんでも、自分のようになって欲しくないから』
「……そうだったんだ…」
自分のようにとは…
人を落として楽しんでいることだと思う…
昔の遥は人を落としては楽しんでいたから…
遥の色気をもって、司くんに似た子が産まれてくれば、その判断は正しいと思う…
遥はきちんと、そこまで考えてたんだね…
自分が拒めば、あの人のようにならないって思うから…
まさに、今の雫ちゃんがそれだもんね…
『アイツは、家族には愛が凄いからな…
遥の昴に対する態度を見てれば分かるだろ?
あれが本当の遥だ』
「…………昔は私も遥に愛されてたんだけど、私がそれを壊しちゃったもんね…」
私は自覚がないとはいえ…
洸を消そうとした…
家族を大事にする遥にとって…
家族を消そうとする私なんて…
嫌われて当然だよね…