私の好きな人
「遥。昴に連絡しろ。
今日はみんなで夕食を食べるから
帰って来いってな。」
「……司…僕…」
「大丈夫、俺は蛍さんのとこに行かない
だから、早く昴に連絡しろ。」
「…うぅ…ぐすっ…
お願いだから…もう、僕の傍を離れないで…」
「あぁ。分かってるから…
早く昴に連絡しろ。分かったな…?」
「うん…」
あの女は、いつものヘラヘラした表情を崩し泣き始めると、お父さんはあの女の頭を軽くぽんっと叩き携帯を手に持たせた
「…昴…?
うん、僕…
今日みんなで夕食、食べるから帰ってきて…
大丈夫だよ、うん…分かった…」
あの女はお兄ちゃんに声を震わせながら電話して、しばらく話すと携帯を切った
「昴、すぐ帰るって…」
「そうか。ありがとな、遥。」
「うん…」
またあの女は、お父さんに抱きついた
お父さんは、そんな女の頭を優しく撫でていた