私の好きな人
「雫、慶都に何かされたら言ってきなよ?
僕が慶都を殺してあげるから!」
「いや、殺さないで」
お母さんの行き過ぎた愛…
これがお母さんの本当の姿…?
「ん〜
昴は好きな人出来ないよね〜?
僕に惚れてるんだから…
絶対に昴を変な女に渡さないよ!!」
「ま、まさかお母さん…
お兄ちゃんをわざと自分に惚れさせたの…?
変な女に奪われないように…」
「当たり前でしょう!
僕の大事な家族だよ!?
女嫌いにさせたのは、そのためなんだよ!?
僕の大事な家族は誰にも渡さないんだから!」
私と蛍さんは、呆れた顔をして飲むことにした
まさか、そこまでお母さんは私たちのことを大事にしていたなんて…
ちょっと…
いや、かなり嬉しい…っ!
お母さんは私のことを嫌っていたわけじゃなかったんだ…っ!
『ねぇねぇ、彼女たち〜
俺らと飲まなーい?
女三人で飲んでも、つまんないでしょう〜?』
『うわっ…三人とも超美人じゃん!』
『俺、君がタイプだなぁ〜』
酔いがまわっているのか…
顔を真っ赤にさせて三人の男たちが私たちに近づいてきた
その三人の中の一人が
近くにいたお母さんの肩に腕を回し
お母さんの顔を自分の方に向け言った